告知「地域密着プログラムを対象とした試行的評価」 ⽂化・芸術分野では本県初の試⾏的な取組を 報告書にまとめました!

静岡県文化プログラム 2019年度「地域密着プログラムを対象とした試行的評価」報告書 概要

1 評価の目的
文化・芸術を通じた地域活性化等を目指す「地域密着プログラム」の成果を可視化するとともに、静岡県の文化・芸術の振興や地域の活性化等に貢献したかを検証し、2021年度から本格稼動するアーツカウンシルにおける効果的な支援制度の設計・運用に活用する。

2 評価の構成
(1)簡易評価
団体が自らの事業を客観視し、事業価値の見極めや見直しを図る機会とするため、「簡易評価アセスメントシート」を作成し、19事業について、事前評価と事後評価を行った。

【結果の概要】
事業に関係する人々の可能性を引き出す工夫(多様性と包摂性)や、事業に対する思いや目的の発信(伝える力)等については、高めの達成度合いが示された一方、事業の持続的展開(自立発展性)については、やや低めの達成度合いが示された。

(2)詳細評価
団体のみならず、事業に関わった人達が見出している事業の価値を明らかにするため、3事業を抽出し、詳細な事業効果の検証・評価を行った。

【結果の概要】

団体名(事業名)

 評価の概要

Scale Laboratory 

沼津市の商業施設等を舞台に様々な芸術に触れる機会を提供している団体の活動は、商業者が目指す街づくりに寄与するとともに、地元の若者に地域の魅力や可能性に気付くきっかけを生み出した。

クロスメディアしまだ
(無人駅の芸術祭) 

大井川鐡道沿線を舞台に開催している芸術祭では、芸術家の作品制作を支援した住民に「オラが作品」という意識が生まれ、芸術論を語り始めたり、来場者にお茶をサービスするなど主体的な取組が生まれた。

クリエイティブサポート レッツ
(表現未満、プロジェクト) 

障害福祉施設において、誰もが持つ自分を表す力、行為を「表現未満、」と評して大切にする文化活動を展開し、創造的行為を行う主体を増やすことが、社会包摂へのアプローチとなることを示唆した。

(3)全体評価
他の支援制度に対する地域密着プログラムの比較優位性や課題等を抽出し、支援制度の改善を図るため、上記(1)、(2)の評価結果に基づく包括的評価を行った。
【結果の概要】
文化・芸術的アプローチを行う事業は、地域社会の課題解決に資するものであり、こうした事業を支援する「地域密着プログラム」の仕組みも有効であった一方、長期的にプログラムが継続していくための運営や人材育成に対する支援が課題として挙げられる。