地域を取り巻くさまざまな分野の物事と文化・芸術が出会い、交わることによって何が起こり、何が変化していくのか?
2016年度に始まったこのシリーズでは、毎回さまざまなテーマを設定し、一見文化・芸術とは無関係に見える分野と文化・芸術が交わることで生まれる活動や、地域課題に対する文化・芸術からのアプローチ、新たな文化創造につながる取組などを紹介するとともに、これらの活動の担い手とさまざまな分野の専門家との対話を通じて、『地域とアートが共鳴する』というテーマで展開されている静岡県文化プログラムの先に生まれる、「未来の静岡県と文化の関係」を探っていきます。
入場無料
事前申込み制
ゲスト
大下志穂(こっちの大山研究所所長、大山アニメーションプロジェクト・ディレクター)
中村隆行((株)漁師中村代表取締役、築き会副代表)
薮田佳奈(元大山町地域おこし協力隊)
鳥取県西部に位置する人口16000人ほどの大山町(だいせんちょう)は、大山登山を中心とした観光と農業が盛んな町ですが、移住者の活躍が目立つ地域でもあります。移住交流サテライトセンターも移住者自身が運営していますし、起業した移住者もたくさんいます。また、国内外からアーティストを招聘する「大山アニメーションプロジェクト」※1や、地域の盆踊りを広める「大山踊る『ワ』プロジェクト」、木造平屋の廃校を活用しアーティストたちによる知恵(自ら生み出す力)を育む授業を展開する「大山ガガガ学校」など、地域と連携した文化の取り組みも盛んに展開しています。
そんな大山町から、アーティスト・イン・レジデンスを展開する団体の大下さんと、移住者でありまちづくり団体「築き会」※2副代表である漁師の中村さんと、今年3月で地域おこし協力隊を卒業しそのまま定住している薮田さんをゲストにお迎えし、移住者の活躍や生活スタイルの話を伺いつつ、文化と移住の関係を考えてみます。
※1 大山アニメーションプロジェクト
2013年からはじまったアーティスト・イン・レジデンス(AIR)プログラムで、国内外よりアーティストを大山町に招聘し、地域の自然や風土、ひとびととの関わりの中から得たテーマをもとに、アニメーション作品を滞在制作・発表してもらいます。
アートをとおして、多様な価値観の理解を深めながら、誰もが豊かに暮らせる環境づくりをコンセプトとした「こっちの大山研究所」が展開する「イトナミダイセン」のプログラムのひとつです。(HPより抜粋)
※2 築き会
大山町のUIJターン起業者を中心に2012年に設立されたまちづくり団体。宮大工、漁師、理学療法士、農業経営者、ダンサー、音楽家、主婦、アーティスト、デザイナー、料理人、営業マン、ライターなど様々な職種のメンバー40名程が集まり、移住交流サテライトセンター運営、食関係のイベント企画運営、子育て支援活動、婚活イベントなど、これまた多種多様な活動に楽しく真剣に取り組んでいる。
ゲストプロフィール
大下志穂
1975年米子市淀江町生まれ。2013年より大山町長田在住。 青山学院大学卒業後、タイへ渡り6年を過ごす。2006年バンクーバーに留学、3Dアニメーションを学んだ後、東京にて現代アーティストのもとアニメーション・映像制作に携わる。
2009年にUターンし、アニメーションや絵画、造形やキャラクターデザイン、インタラクティブ演劇作品など、幅広い分野で創作活動を行う。
2013年より「地域」や「営み」と「アート」にまつわるさなざまなプロジェクトを企画運営する。アートディレクター。こっちの大山研究所代表。築き会代表。
中村隆行
平成13年に素潜りに憧れて埼玉から鳥取移住を決意。
移住当初は所持金5万しかなく、海岸の漂流物のサンダルを履いてテーブルはダンボールで生活したことで地域で噂になる。
その後、スパルタな素潜り研修を受け貧血で倒れたりしたが平成17年に素潜り漁師として
独立。当時、安価で未利用資源的だったわかめの商品化に挑戦し平成22年㈱漁師中村を法人化する。「天日干し大山わかめ」として、都市部から地元まで15社に卸販売を行っている。現在では年間5000袋が売れる商品になる。また地元、大山の地域活性化にも力を注ぎ、H24に築き会(きずきかい)を立ち上げて、3人からスタートをして現在40人以上の大山町では大規模な会に発展をしている。大山町から委託業務を受けて、移住交流サテライトセンターの責任者として約5年で120人以上の移住者を受け入れ、サポートをしている。
築き会副代表、のまど間理事、JF中山支所地区運営役員の役を担っている。
藪田佳奈
兵庫県淡路島出身。高校卒業後神戸税関で11年間勤めたのち、2014年に地域おこし協力隊として鳥取県大山町に移住し、空き家問題やアート活動に関わる。3年の任期終了後、2017年から独立し、協力隊活動時に仲間と作ったお城のオフィス付きシェアハウス「のまど間」の運営や自宅として購入した築約140年の古民家を改装した「てまひま」で泊まれる居酒屋を運営するほか、こっちの大山研究所に所属し様々なアートプロジェクトの運営に携わる。
日時
2017年11月11日(土)13:30〜15:30
※申込み締め切り:11月6日(月)
会場
鴨江アートセンター(浜松市中区鴨江町1番地)
※会場には駐車場がございません。最寄りの駐車場をご利用いただくか、公共交通機関をご利用ください。
定員
80名
ゲスト
今和泉隆行(株式会社地理人研究所代表取締役)
陸奥賢(観光家、コモンズデザイナー、社会実験者)
47都道府県300以上の地方都市を巡った経験から、その市街地や商業施設、鉄道やバス路線などのありようから、その町を読み解く今和泉さんと、大阪でプロデュースした「大阪あそ歩」がコミュニティ・ツーリズム事業としては始めて観光庁長官表彰を受ける他、「まわしよみ新聞」「当事者研究すごろく」「直感讀みブックマーカー」「歌垣風呂」など、“物事の見方が変わる意外な体験”と観光を広く定義する観点から生まれる様々な企画を生み出している陸奥賢さんのお二人をゲストにお迎えします。町を読み解く視点をお二人からご紹介していただきながら、いろいろな角度から町を見てみる奥深さにふれるトークを開催します。
ゲストプロフィール
今和泉隆行
1985年生まれ。7歳の頃から空想地図(実在しない都市の地図)を描き、大学生時代に47都道府県300都市を回る。2015年に(株)地理人研究所を設立。都市や地図に関する情報を、多様な人につかみやすい形で提供する、地理情報の編集とデザインを本業とする(テレビドラマやゲームの地理監修・地図作成、記事執筆、企業研修、ワークショップ企画)。2013年、白水社「みんなの空想地図」刊行、2017年、晶文社「地図感覚」(仮)刊行予定。
陸奥賢
1978年大阪生まれ。ライター、放送作家、リサーチャー等を経験。「大阪七墓巡り復活プロジェクト」「まわしよみ新聞」「直感讀みブックマーカー」「当事者研究スゴロク」「歌垣風呂」「劇札」などを手掛ける。應典院寺町倶楽部専門委員。著書に「まわしよみ新聞のすゝめ」。
日時
2017年11月18日(土)14:00〜16:00
※申込み締め切り:11月13日(月)
会場
蓮福寺本堂(掛川市肴町6番地)
※会場には駐車場がございません。最寄りの駐車場をご利用いただくか、公共交通機関をご利用ください。
定員
60名
まちあるき企画「地理人と陸奥賢といしょに掛川散策」
トークゲストの今和泉隆行さん、陸奥賢さんといっしょに掛川の町をおしゃべりしながら散策します。
日時
2017年11月18日(土)10:30〜12:30
※申込み締め切り:11月13日(月)
※午後のトークにも参加される方は、蓮福寺本堂にて持ち込みで昼食と休憩していただけます。
集合場所
掛川駅北口
※会場には駐車場がございません。最寄りの駐車場をご利用いただくか、公共交通機関をご利用ください。
定員
20名
※トークとは別途申込必要です。
※お申し込みの際は「トーク」か「まちあるき」、参加を希望される内容を必ず記載してください。
ゲスト
藤本智士(有限会社りす(Re:S)代表、編集者)
千葉雅俊(みやぎシルバーネット編集発行人)
紫牟田伸子(編集家、プロジェクトエディター、デザインプロデューサー)
静岡県文化プログラムの参加プロジェクトは、それぞれの地域や分野で活動を展開していますが、地域や分野を新たな切り口で掘り起こしているとも言えます。地方都市で発行されているフリーペーパーも、それぞれの視線で地域を切り取り、発信しています。
このトークでは、“秋田からニッポンのびじょんを考える”フリーマガジン「のんびり」の編集長である藤本智士さんと、今年21年目を向かえた高齢者を対象とした月刊フリーペーパー「みやぎシルバーネット」を発行する千葉雅俊さんをお迎えし、出版不況と言われる現代における市民メディアの可能性を、編集の視点から様々な地域のプロジェクトに関わっている紫牟田伸子さんとともに探ります。
藤本智士
1974年兵庫県生まれ。編集者。有限会社りす代表。雑誌「Re:S」編集長を経て、秋田県発行フリーマガジン「のんびり」、webマガジン「なんも大学」の編集長に。自著に『魔法をかける編集』(インプレス)、『風と土の秋田』『ほんとうのニッポンに出会う旅』(共にリトルモア)。イラストレーターの福田利之氏との共著に『いまからノート』(青幻舎)、編著として『池田修三木版画集 センチメンタルの青い旗』(ナナロク社)などがある。編集・原稿執筆した『るろうにほん 熊本へ』(ワニブックス)、『ニッポンの嵐』(KADOKAWA)ほか、手がけた書籍多数。
http://re-s.jp
千葉雅俊
みやぎシルバーネット 編集発行人
1961年、宮城県生まれ。広告代理店の制作部門で新聞社発行のタウン紙の編集に携わった後に独立。1996年に高齢者向けの月刊フリーペーパー「みやぎシルバーネット」を創刊。編集、デザイン、営業、配達まで一人でこなし、自由に伸び伸びと発行活動を継続中。情報満載の紙面は好評で、中でも投稿による川柳コーナーが大人気となり、「シルバー川柳」というジャンルを築くまでに。選者を務めた書籍に「笑いあり、しみじみあり シルバー川柳」(河出書房新社)、著書としては「みやぎシニア事典」(金港堂)。
紫牟田伸子
プロジェクトエディター
美術出版社、日本デザインセンターを経て、2011年に独立。「ものごとの編集」を軸に企業や社会・地域に適切に作用するデザインを目指し、地域や企業の商品開発、ブランディング、コミュニケーション戦略などに携わる。主な著書に『カラー版:日本デザイン史』(共著/美術出版社/2003)、『シビックプライド:都市のコミュニケーションをデザインする』『シビックプライド2:都市と市民のかかわりをデザインする』(共同監修/宣伝会議/2008、2015)、『編集学:つなげる思考・発見の技法』(単著/幻冬舎/2014)『シビックエコノミー:私たちが小さな経済を生み出す方法』(編著/フィルムアート社/2016)など。多摩美術大学ほか非常勤講師。
日時
2017年12月3日(日)13:30〜15:30
※申込み締め切り:11月30日(木)
会場
沼津市民文化センター大会議室 (沼津市御幸町151)
定員
80名
ゲスト
安達覚(三井不動産株式会社 商業施設本部 上席主幹)
鈴木基生(田町東部繁栄会会長、田町パークビル株式会社代表取締役)
岸井大輔(劇作家)
私たちの生活にはもはや欠かせない存在であるショッピングモールや商店街。モノを売るだけだった商業施設がアートを楽しむ空間へと急速に変わりつつあります。さらに、大型ショッピングモールと商店街の関係も二項対立ではなく、実際には協働の取り組みを全国に多々見ることができます。ますます文化・芸術が私たちの「普段」に接近する今、ららぽーと豊洲にパイプオルガン(現在は移設)ややららぽーと横浜にマイセン社製カリヨンを設置するなど、文化芸術をショッピングモール開発に取り入れる試みをリードされている三井不動産商業施設本部の安達覚さん、経営されている立体駐車場と商店街においてユニークな実践をされている鈴木基生さん、そして実社会に向ける洞察をベースとして作品制作する劇作家の岸井大輔さんのお三方をお迎えして議論を展開します。
安達 覚
三井不動産株式会社 商業施設本部 上席主幹
1956年 群馬県生まれ
1978年 慶應義塾大学経済学部卒業 三井不動産(株)入社
90年~97年 関西支社商業施設事業課長(日本で最初の本格的アウトレットモール「ブロッサム」の開発・運営、スヌーピータウン事業の開発・運営)
97年~02年 商業施設事業本部スヌーピータウン室長
02年~04年 横浜支店次長、業務施設事業室長(ビル・商業の開発・運営)
04年~07年 商業施設本部リージョナル事業部事業推進グループ長
(ららぽーと豊洲、キッザニア、ららぽーと横浜の開発)
07年~15年 商業施設本部 本部長補佐
15年4月より 現職
鈴木基生
1994年遠州地方のテキスタイル生産者を中心とした団体「グループ・パトス」を結成し主宰。東京のデザイナーやアパレルメーカーとの直接取引を行う。2002年よりヨーロッパで、遠州のテキスタイル販売。Dries Van Notten、C.Diem、Antonioliなど個性的なアパレルデザイナーにテキスタイルを供給。
2006年よりゆりの木通りにある田町パークビル株式会社代表取締役に就任し、商店街活動に参画。2009年より田町東部繁栄会会長を務める。
商店街の会員と「手作り品バザール」、若いアーティストや建築家と「ナイトブティック」「まちなか部活」などのイベントを開催。空き店舗を利用し、市民に活動と発表の場を提供。
2016年「はばたく商店街30選」(経済産業省)にゆりの木通り商店街が選定された。
岸井大輔
劇作家
1970年生。多摩美術大学演劇舞踊デザイン学科講師。1995年以来演劇をいろいろなことに応用する方法とその理論を考え、さまざまな現場で実験をしてきた。代表作に東京都との共催で2009年ー2011年に行った「東京の条件」や世田谷区の生活工房で2017年2月-3月に開催した「生活はふるさとのように上演されている」などがある。
日時
2018年1月25日(木)19:00〜21:00
※申込み締め切り:1月22日(月)
会場
七 Lab. (静岡市葵区七間町5-8ミライエ七間町2F)
定員
50名
ゲスト
村上タカシ(美術家、MMIX Lab 代表、大学教員)
斉藤道有(美術家、(一社)東北ツリーハウス観光協会代表理事)
2011年3月11日の東日本大震災で、私たちは大きな衝撃と課題に向き合うこととなりました。その衝撃は被災地の復興を遂げる過程で、防災意識の向上、コミュニティ価値の再発見、設備や体制整備への転機となりました。静岡県でも東海地震や富士山噴火など、大きな自然災害が想定されています。また自然災害に伴って二次的三次的に立ち起こる災害も、甚大であると想像されます。そのような災害に向き合うため、文化で何ができるかを震災以前からアート活動を東北で実践している村上タカシさんと斉藤道有さんをゲストに迎え、考えてみたいと思います。
村上タカシ
劇作家
美術家、MMIX Lab 代表、大学教員
熊本生まれ。1986年より畳やお米を使ったインスタレーション作品など美術家として東京で活動を開始。
国内外の展覧会やアートプロジェクトに参加。2009年各種メディアを融合させ、アートと地域を結び創造的芸術活動を行う団体「MMIX Lab」を仙台で発足。東日本大震災以降、津波でねじ曲がった公共物等を残し震災を後世に伝える「3.11 メモリアルプロジェクト」他の活動を、熊本地震後はGAMADASE ART PROJECT(がんばれ熊本!プロジェクト) を実施。
http://mmix.org
斉藤道有
美術家・(一社)東北ツリーハウス観光協会代表理事・(一社)気仙沼地域戦略理事
1977年気仙沼生まれ。 2001年から仙台を拠点に美術作品の制作発表を行い、コミュニケーションをテーマとしたアートプロジェクトを主宰。2011年東日本大震災を経験し、気仙沼を拠点に光の慰霊碑を立ちあげる「3月11日からのヒカリ」や、東北をフィールドに100のツリーハウスで新しい観光をつくる「東北ツリーハウス観光協会」を主宰。アート・教育・文化・観光など多面的な活動を展開し、創造的に地域社会を拓くことを目指している。
日時
2018年2月11日(日)14:00〜16:00
※申込み締め切り:2月8日(木)
会場
起雲閣 音楽サロン(熱海市昭和町4-2)
定員
80名
氏名・電話番号・住所・メールアドレス(お持ちの場合)を記載の上、下記いずれかの方法でお申し込みください。
※各回の申込締め切り日
Vol.4 移住と文化プログラム 2017年11月6日(月)
Vol.5 まちあるきと文化プログラム 2017年11月13日(月)
Vol.6 市民メディアと文化プログラム 2017年11月30日(木)
Vol.7 ショッピングモールと文化プログラム 2018年1月22日(月)
Vol.8 災害と文化プログラム 2018年2月8日(木)
ハガキ
〒420-0035
静岡市葵区七間町5-8ミライエ七間町2F 七 Lab.
静岡県文化プログラム トークシリーズ担当
(※希望回の開催日を必ず記載してください)
FAX
054-073-8183
※定員を越え、ご参加いただけない場合を除いてご連絡はいたしません。ご了承下さい。
お問い合わせ
静岡県文化プログラム推進委員会
主催:静岡県文化プログラム推進委員会