熱海ふれあい作業所の企画「雨上がりの虹を、町に。」では、精神障がい当事者である高崎さんがパーソナリティをつとめる同人音楽とトークを中心としたラジオ番組「雨上がりの虹を放送しています。
ホームページで過去の放送を聞くことができます。
この事業は要素が多面的で、(1)障がい認知の促進とも捉えられるが、(2)メディアを活用した当事者によるひきこもりの若者支援(ぴあサポート)を、同人と精神障がいの親和性に着目して行う新たな手法開発という要素もあり、また(3)障がいのある人の個人的な興味関心と社会のつながりを軸とした支援方法の模索とも見ることができます。
(2)と(3)については、福祉業界の内情につっこんだものですが、表層的なところだけでなく、深いところまで考えられた企画であることがわかります。
しかし先日行われた番組収録に、これまでパーソナリティを務めてきた高崎君の姿はありませんでした。
年末から体調が思わしくない日が続き、収録に参加することができない状態になってしまったためです。プランBとして、同人音楽のプレイヤーとの接点となるコミケに高崎さんと事業のディレクターであるアサダワタルさんが一緒に出掛けた際に収録した現場レポート中心の構成に内容を変更し、アサダさんが代役をつとめることになりました。体調が思わしくないとはいってもコミュニケーションはもちろんとることができるので、高崎さんとアサダさんが密に連絡を取り合い、FM熱海湯河原の金井さんの協力も得ながら構成や選曲の準備を進めてきました。
収録後のミーティングで、ソーシャルインクルージョンや共生社会ということに意識が向けられている現代においては、今回の一連の出来事は非常に大事なことが含まれているというアサダさんの指摘から、関係者へのインタビューや経緯などを丁寧に取材してまとめていくという提案がされました。
望んではいなくても、気持ちや生活リズムが不安定な状態になってしまったり、変化させざるを得ないことは、誰にでも起こることです。私たちはそうした変化に本人や周囲が折り合いをつけて暮らしています。そうやって暮らす多様な人がいて、人口構成や産業などの変化が顕著になってきている社会の中で、どのように道を見出していけるのか、そんなことを考えるヒントやきっかけが含まれていくような気がしています。