2018-02-10【熱海ふれあい作業所】ラジオ番組制作とソーシャルインクルージョン

熱海ふれあい作業所の企画「雨上がりの虹を、町に。」では、精神障がい当事者である高崎さんがパーソナリティをつとめる同人音楽とトークを中心としたラジオ番組「雨上がりの虹を放送しています。

ホームページで過去の放送を聞くことができます。

FM熱海湯河原のスタジオ

この事業は要素が多面的で、(1)障がい認知の促進とも捉えられるが、(2)メディアを活用した当事者によるひきこもりの若者支援(ぴあサポート)を、同人と精神障がいの親和性に着目して行う新たな手法開発という要素もあり、また(3)障がいのある人の個人的な興味関心と社会のつながりを軸とした支援方法の模索とも見ることができます。

(2)と(3)については、福祉業界の内情につっこんだものですが、表層的なところだけでなく、深いところまで考えられた企画であることがわかります。

アサダワタルさん

しかし先日行われた番組収録に、これまでパーソナリティを務めてきた高崎君の姿はありませんでした。

年末から体調が思わしくない日が続き、収録に参加することができない状態になってしまったためです。プランBとして、同人音楽のプレイヤーとの接点となるコミケに高崎さんと事業のディレクターであるアサダワタルさんが一緒に出掛けた際に収録した現場レポート中心の構成に内容を変更し、アサダさんが代役をつとめることになりました。体調が思わしくないとはいってもコミュニケーションはもちろんとることができるので、高崎さんとアサダさんが密に連絡を取り合い、FM熱海湯河原の金井さんの協力も得ながら構成や選曲の準備を進めてきました。

 

収録後のミーティングで、ソーシャルインクルージョンや共生社会ということに意識が向けられている現代においては、今回の一連の出来事は非常に大事なことが含まれているというアサダさんの指摘から、関係者へのインタビューや経緯などを丁寧に取材してまとめていくという提案がされました。

望んではいなくても、気持ちや生活リズムが不安定な状態になってしまったり、変化させざるを得ないことは、誰にでも起こることです。私たちはそうした変化に本人や周囲が折り合いをつけて暮らしています。そうやって暮らす多様な人がいて、人口構成や産業などの変化が顕著になってきている社会の中で、どのように道を見出していけるのか、そんなことを考えるヒントやきっかけが含まれていくような気がしています。

エフエム熱海湯河原

熱海市上宿町9-5

鈴木 一郎太 コーディネーター
平成9年渡英。アーティストとして活動後、平成19年に帰国。浜松市に拠点を置くNPO法人クリエイティブサポートレッツにて、社会の多分野と連携する様々な文化事業(場づくり、展覧会、トーク、人材育成、町歩き等)の企画を担当。平成25年、建築家の大東翼とともに(株)大と小とレフを設立。主にプロジェクト企画、マネジメントを担当。
このコーディネーターの他ブログ