2018-09-20【浜松市根洗学園】「ゆるゆるしてみる」第1回目 音楽家・片岡祐介さん

音楽家の片岡祐介さんを迎えて始まった「ゆるゆるしてみる」第1回目。

飛び入り参加で、小さなお子さんが大泣きしながら入室。みなさん揃ったところで席につきましたがまだご機嫌ななめで泣き続けているところに、片岡さんが鍵盤ハーモニカで音を鳴らしました。ふっと皆さんの注意が片岡さんに集まります。グスグスしているもののお子さんも何となく見ています。その後、演奏するというより、会話するように音やリズムを静かに変えながら向き合っていると、始めましょうという空気感になっていました。後で片岡さんに聞いてみた所、「音でおさまるタイプの泣き方だな、と思った」ということでした。抑え込まれたというより、場所見知りがおさまったという印象を受けました。

少人数でしたので、参加者それぞれの自己紹介から。元軽音部でベースを担当していた方、自宅でアトリエを主宰されている方、福祉施設の職員で娘と孫に体験してもらいたくて親子3世代で来られた方、リトミックの先生をされている方など様々でした。

机に座ったまま、いい音を探したり、身の回りの物でできる音の出る道具で音を味わったり、簡単なことを次々とやって、最後はそれらを使った「なんちゃって雅楽」を合奏しました。いつの間にか引き込まれていて、気付いたら終わりの時間になっている不思議な時間でした。

 

使った物:排水用(?)のチューブ、ハンガー、糸、ヤクルトの空き容器、わりばし、細い竹筒、ホワイトボード

 

印象的だったのは、ヤクルトの空き容器とわりばしをみなさんに配って「いい音探してみましょうか」と片岡さんが投げかけた時、一様に恐る恐るだったみなさんの様子を見て片岡さんが言った一言。

「まず楽器じゃないから、正しい演奏法なんてないんですよね(笑)」

笑いが起きた後、器をいろいろな角度から割りばしでたたいたり、空いている口に割りばしをつっこんでクルクル回してみたり、一気にかわいらしい音が響き出しました。

 

最後にやってみた「なんちゃって雅楽」は、楽譜もなくちょっとしたインストラクションだけで合奏をして、雅楽っぽい演奏をするものでした。

竹筒をトントントトトトトトと重力に任せて机に落とす人、チューブを回す人、容器の底をたたく人、というのがインストラクション。

あとは片岡さんが鍵盤ハーモニカで鳴らす高い音程の和音を聞きながら、それぞれのタイミングで音を重ねるだけ。周りの音を聞きながら自分のタイミングで音を出す。

「なんちゃって」だけど、雅楽っぽくて、「おおぉ」なんて声がつい出てました。

片岡さんによると、雅楽と意識してなくてもどこかでそれっぽい音を聞いたことがあるから日本人だとだいたいみんなできると言います。それともうひとつ大事なのが、各音のつかず離れずな関係を知っていて、その関係が雅楽っぽくなる要素のひとつだということでした。

 

ハンガーと糸でやったひとりでしか体感できない音は、そのビジュアルからは想像しない音でびっくりしていたので、おそらくみんなが自宅で家族に披露して盛り上がったんじゃないかと思います。

日々忙しくしている親御さんたちに、別の園に通う子どもを持つ親御さんとも出会う機会をつくろう、ということで始まったこの企画。

次回、第2回はダンサーの砂連尾理(じゃれお・おさむ)さんをお迎えして、10月5日に開催されます。

 

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鈴木 一郎太 コーディネーター
平成9年渡英。アーティストとして活動後、平成19年に帰国。浜松市に拠点を置くNPO法人クリエイティブサポートレッツにて、社会の多分野と連携する様々な文化事業(場づくり、展覧会、トーク、人材育成、町歩き等)の企画を担当。平成25年、建築家の大東翼とともに(株)大と小とレフを設立。主にプロジェクト企画、マネジメントを担当。
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