熱海未来音楽祭

団体概要

ジャンルに当てはまらない、どこの国のものかわからない、でもなにか魅力を感じる、心に残ってしまう、まさに未来を拓く力を持つ音楽祭を、日本を代表する歴史ある温泉観光地・熱海で開催。即興を中心とした、世界的に活動する音楽家が集い、温泉の町・熱海のざわめきを演奏に取り込み、踊る身体に染み込ませ、未来の音楽、未来の表現をテーマに、観光で訪れた人と熱海に暮す人々が出会い、交流する場を創出する。現代と過去の入り交じる異空間・熱海の風景や、温かく懐の深い熱海の人々の魅力も、公演を通じて発見し、味わってもらう。国境を越え、皮膚を越え、耳を越えて、世界と日本、静岡へとつながっていく、広がりのある音楽祭である。

2020年
「第2回熱海未来音楽祭」

©木村雅章

事業内容

コロナの受難の中から生まれる/ 郷愁のエンターテイメント

熱海からリスボンまでの距離を越え / 夕凪は江州音頭にホーメイ /はたまたクレズマーからチンドンまで

国境を越え皮膚を越え耳を越えて / 世界音楽の大きな繋がりを希求する

魅惑のフェイスシールドで /ウイルスも吹き飛ぶフェスティバル!/

日 時

2020年10月2日(金)〜25日(日)

会 場

起雲閣 音楽サロン、EOMO store、熱海サンビーチなど

内 容

ライブ、パレード、ワークショップなど

参加アーティスト

石川高、一樂誉志幸、伊藤千枝子、今西紅雪、岩渕貞太、内橋和久、大熊ワタル、川村美紀子、木村仁哉、こぐれみわぞう、佐藤正治、佐藤みゆき&あがさ、新人Hソケリッサ!、鈴木ユキオ、竹内理恵、長峰麻貴、ピーターエヴァンス巻上公一、町田康、松岡大、和田史子

担当コーディネーターのふりかえり

振り返ってみると昨今のコロナ禍の中、中止や大きな変更を伴わずに事業を実施できたのが「第2回熱海未来音楽祭」だった。運が良かった事もあるだろうが、「何としてもやる」「何をしてもやる」という、音楽家・巻上公一氏の意気込みとエネルギーが、実施へと前進させたのだと感じる。

第2回となる2020年度は、第1回で得た手応えをさらに発展させ、かつ人類が新たに向き合う感染症にも対応した形式を創り出した。

熱海市役所からサンビーチまでのパレードでは、舞台美術家・長峰麻貴氏が指南役となりワークショップで作成した神話をモチーフとした“フェイスシールド”を被り、ちんどんの調べとともに今も懐かしさが残る街角を練り歩いた。

サンビーチでのパフォーマンスは小説家・町田康氏のテキストによる「海辺の兎に角」が披露された。目の前のダンスや音楽と、スマホから聞く巻上、町田両氏による上演サウンドが一体となり、ビーチが物語の舞台へと一変。偶然通りかかった観光客も、興味津々で参加していた。

今回からは「LAND FES」もプログラムに加わり、熱海の穴場、秘密の場所を音とダンスで魅力的に演出。本来はリアルで行われるこのFESも、映像を制作し配信を行なったが、洗練されたお洒落なプロモーションビデオとしても今後期待できそうである。

回を重ねるごとにアーティストならではの表現を使って、熱海の魅力を増していくこの音楽祭。アーティストの描く未来を今後も見続けたいと思う。

(北本麻理)

2019年度
熱海未来音楽祭

熱海は謎めいている
海と山が急勾配に隣接し
地中海のような景観に
昭和に咲いた「観光」の遺跡がある
ここに未来への扉を唐突に設置する
そこから楽団が時間をワープして登場する
駅前から仲見世通り商店街を下り
熱海銀座を通りお宮の松からサンビーチへ
浜辺の扉から音楽が海を振動させる
熱海未来音楽祭のはじまりである

熱海未来音楽祭 レポート(keynote)

http://www.makigami.com/Atami_mirai2019report/assets/player/KeynoteDHTMLPlayer.html#2

 

 

 

会場

起雲閣、熱海仲見世商店街、熱海銀座、サンビーチ、など

日時

2019年9月20日(金)、21日(土)

出演

大熊ワタル、こぐれみわぞう、巻上公 一、佐藤正治、伊藤千枝子、 町田康、Anna Lerchbaumer 、 Andreas Zibler、Jim O’Rouke、石橋英子

参加者数、来場者数

387名

「熱海の国のアリス」になろうワークショップ

日時:2019年 8月24日(土)、31日(土)
講師:長峰麻貴
参加人数:27名

《担当コーディネーターのふりかえり》

世界中で活躍するヴォイスパフォーマーの巻上公一氏が、拠点である熱海市で実施する「熱海未来音楽祭」。巻上氏が熱海で音楽祭を開催するのは、2019年度が初めての取り組みとなる。音楽ライブのみではなく、造形作家を招聘し帽子作りのワークショップを行うなど、地域住民の音楽祭参加を促すなどの工夫を凝らした。

本番当日は、ワークショップ参加者とミュージシャンとが一緒に、熱海駅前でのパフォーマンス、商店街のパレード、海岸でのパフォーマンスなどを行い、熱海のランドスケープを最大限に活かしながら、音楽、ダンスで街の彩りや賑わいを演出。

起雲閣を会場にしたライブパフォーマンスでは、電子音楽、即興音楽、朗読などなど、巻上氏のキャリアとネットワークを生かした内容の公演となった。国内はもとより海外でも活躍しているアーティストによる確かな音楽に、会場が一体となって聴き込む姿が印象的であった。

今回の音楽祭を行ったことで、熱海市在住アーティストが企画に積極的に参加する意思を表明するなど、今後の展開にも期待を持てることとなった。

また、巻上氏が静岡にも縁のある「大岡信賞」を受賞するなど、ますます静岡での活躍に注目を集めている。

(北本 麻理)