2018-03-23【富士の山ビエンナーレ】振り返り、集い、次のビエンナーレへ

2014、2016年とビエンナーレを実施してきた「富士の山ビエンナーレ」ですが、2017年の今年度は間の準備の年。複数エリアにまたがり、地域への視点をアートの力で捉える実験を重ねるプロジェクトですが、ビエンナーレがどのように準備され、どのような人によって支えられているか、この準備の年に垣間見ることができました。

地域の人との繋がりをとても大事にされている実行委員の方々が企画したのは、ワークショップやトークイベント。ビエンナーレの会場ともなっているビルや歴史的建造物に、ご近所から老若男女が集いトークに熱心に耳を傾け、ワークショップでの作業に夢中になっています。特に旧五十嵐邸でのワークショップは子供たちと保護者の方々が、古いガラス窓から差し込む心地よい日差しのもと、消しゴムハンコ作りに挑みました。子供たちに語りかける実行委員の方々、子供より以上に熱心にハンコを作る保護者の方々、わかりやすく楽しくアドバイスするアーティスト。普段はあまり見かけない異世代のやり取りが、ゆったりとぽかぽかした空間の中に生まれていました。

ディレクターの小澤さんによるアートプロジェクトのレクチャーも、歴史や文化を網羅した内容。他にもアートプロジェクトを支えるスタッフについてのレクチャーや参加者同士のワールドカフェもあり、毎月富士の山ビエンナーレやアートプロジェクト、また地域づくりに関心のある方たちが集まっています。

2018年はいよいよ3回目のビエンナーレが開催されます。
地域への視点を世界に繋げる「富士の山ビエンナーレ」の開催が楽しみです。

北本 麻理 コーディネーター
アートキャンプ白州でダンスに出会ったことをきっかけに、芸術と社会の橋渡しについて探求を始める。京都造形芸術大学舞台芸術研究センターでの公演制作を経て、舞鶴市文化事業団アートコーディネーターとして、地域資源と芸術資源とを結びつけたワークショップや舞台作品を企画・運営。2012年からNPO法人ジャパン・コンテンポラリーダンス・ネットワークで、東日本大震災被災地における文化・芸術による復興事業『三陸国際芸術祭』『習いに行くぜ!東北へ!』のプログラム・ディレクターを務めた。
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