浜松市根洗学園で「ねあらいがくえんのワークショップシリーズ2017」第1回が行われました。
講師はダンサーの砂連尾理(じゃれおおさむ)さん。舞鶴市の特別養護老人ホームで制作され、全国3ヵ所で巡回公演までしたプロジェクトを綴った「とつとつダンス」の著者でもあります。
ワークショップは、各動作毎に意識を身体に向け、自分の中で起こる変化を感覚でつかむように、ゆっくりと時間をかけたストレッチから始まりました。首をまわし、背筋を伸ばし、肩まわりをほぐし、足をゆるめていき、二人一組でのワークに移っていきます。
ご自身で身体フェチと言うように、砂連尾さんはコンテンポラリーダンスはもちろんですが、ヨガ、合気道、気功など、身体にアプローチする様々な手法を経験されており、今回のワークショップでもそうした様々な背景のワークも含まれていました。例えば、二人一組であぐらをかいた相手の差し出した腕を片方が両手で押します。押された側は腕の力ではなく、相手に力を返すようなイメージで腰を立てることで、押されていても後ろに倒れないというワークをしましたが、これは合気道のものらしいです。
最後は二つのグループにわかれて「Simone Forti」というダンサーが振り付けた「Huddle」というワークをしました。
円形に集合したグループメンバー全員で肩を組んだり覆いかぶさったりして、アメフトのスクラムのようにひとつの山になります。その上に一人ずつ登って転がって反対側におりるものでした。
人の上に登ることは普段ほとんどありませんし、遠慮して手足で踏ん張ってしまったりするのですが、踏ん張ると付加をかけることになり、実はよけい負担をかけてしまうようです。それよりもベターっと寝そべって身体を預けてしまった方が、下にいる人たちの負担にならず、なおかつ、不思議な浮遊感があるみたいで、ワイワイ、キャーキャー言いながらとても盛り上がっていました。
参加されたみなさん、それぞれに自分や人の身体に向ける意識にちょっとちがった感覚があったようで、もしかしたら翌日には人とのやりとりや、身体の動きを見る目が変わった経験をされたかもしれません。
療育の現場では身体の接触が多くありますし、こうしたダンサーのワークショップから気付くものは、理学療法などとはまたちがった得るものがあるのかもしれません。