KURURA制作実行委員会

団体概要

KURURA制作実行委員会は、「子どもローカルマガジンプロジェクトCOLOMAGA」の伊豆市版である『KURURA(くるら)』の企画・制作・運営を行う任意団体として、2016年4月に発足。若年層の人口流出やシビックプライドの低さを地域課題として捉え、地域情報誌の制作を通じて、子どもたちが自分の暮らす地域の良さを実感し、地域への愛着を深めるきっかけをつくっている。
冊子『KURURA』は、伊豆市立修善寺南小学校5年生の授業の一環で「デザインの力で地域を元気にしよう」という目的のもと2013年に創刊。この活動を通じて子どもたちが地域の魅力に気づき、愛着を持つようになったことがうかがえたため、翌年から伊豆市内の小学4年生から中学3年生に参加を募って展開。以降、毎年1冊、子どもたちとプロのクリエイターがコラボレーションしながら制作・発行している。
2017年度には、それまで複数回参加してきた中高生たちにより「こども編集部」を結成し、各号のテーマ設定や取材先の提案、近年では取材先の交渉や講座の企画運営までを担っている。そして2020年度には、「こども編集部」を卒業した大学生を中心に、新しく「コネクトチーム」を組織。参加者の子どもたちと事務局の大人をつなぐパイプ役として、「こども編集部」のサポートや、交流イベント「COLOMAGAサミット0(ゼロ)」の企画運営等を行っている。

ホームページ

https://www.izukurura.com/

2020年度
子どもローカルマガジンプロジェクトCOLOMAGA

事業内容

活動8年目となる2020年度は、冊子『KURURA vol.8』の制作と、「子どもローカルマガジンプロジェクトCOLOMAGA」初の交流・情報交換会「COLOMAGAサミット」の立ち上げに取り組んだ。

 

1.冊子『KURURA vol.8』の制作活動

コロナ禍による生活の変化をふまえ「今こそJIMOTO(地元)で!!」をテーマとし、15名の子どもたちが「遊ぶ!!」「食べる!!」「泊まる!!」にちなんだ伊豆市内のスポットを紹介する記事を制作した。

タイトル

KURURA vol.8

発行年月

2020年11月発行

仕様

A4サイズ/フルカラー/16P

配布場所

伊豆市観光案内所、伊豆市若者交流施設9izu、等

問い合わせ先

KURURA制作実行委員会
返信用の切手(1部140円)を事務局まで送っていただければお送りします
事務局:〒410-2407 静岡県伊豆市柏久保1304 9izu内

制作の主役である子どもたちが、今回の活動について振り返り、発表を行う完成発表会は、2020年11月29日の開催予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて2021年1月17日に延期した。

タイトル

KURURA vol.8 完成発表会

開催日

2021年1月17日(日)

会場

ザ・クランク(伊豆市柏久保550-1)

2.交流・情報交換会「COLOMAGAサミット」の立ち上げ

『KURURA』から始まった「子どもローカルマガジンプロジェクトCOLOMAGA」は、今では東京都文京区、静岡県伊豆の国市、山梨県北杜市、静岡県沼津市に広がっている(2021年3月時点)。そこで、各地の「COLOMAGA」に参加する子どもたち同士の交流や、事務局を担う大人同士の情報交換を目的としてサミットを開催した。コロナ禍の影響で当初の計画から変更を余儀なくされたため、今年度はプレ開催と位置付け、「1回目の前段階」という意味を込めてイベント名称を「COLOMAGAサミット0(ゼロ)」とした。

タイトル

COLOMAGAサミット0(ゼロ)

開催日

2020年10月17日(土)、10月18日(日)

会場

ラフォーレ修善寺 研修室、平沢マリンセンター

テーマ

「伝える」

内容

【プログラム①|10月17日(土)】
・子どもたちによる地域ごとの取り組み紹介
・地域のイメージクイズ
・今回のサミットのテーマ「伝える」を意識したゲーム
・KURURAこども編集部、コネクトチームによる活動報告 
【プログラム②|10月18日(日)】*コロマガサミット参加者の内、希望者のみ対象
・「COLOMAGA沼津・内浦西浦」エリアのフィールド見学・体験

主催

KURURA制作実行委員会

《担当コーディネーターの振り返り》

若年層の人口流出は、伊豆地域だけでなく全国各地で抱えている深刻な社会問題である。KURURA制作実行委員会はその要因として、子どもたちが自分のまちの魅力を知らないことに加えて、実は大人たちから「ここは何もない田舎」などと言われて育ってきたことが深く影響していると指摘する。なるほど、子は親の背中を見て育つというが、若年層が地域に定着しないのは我々大人の責任だということを改めて気付かされる。実際のところ、『KURURA』で取材を受けたり、同誌を読んだりした大人たちのほうが、子どもたちの視点や言葉によって自己肯定感を高め、自信を持てるようになっている状況が見られるという。つまり、この冊子作りは周り回って、「子どもたちが大人を育てるプロジェクト」となっているというわけだ。

「地域への愛着」と同じく、KURURA制作実行委員会が大事にしているのは「クリエイティブの力」だ。子どもたちはプロのクリエイターたちと触れ合い、地域情報誌の制作に携わることで、自分自身のクリエイティビティを醸成する機会を得ている。そんな彼らが将来大人になったとき、自ら考えて物事を起こすことができる「(伊豆に限らず)地域の創り手」になっていくだろう。彼らの存在が、持続可能な地域を実現する鍵になるかもしれない。

2020年度より活動をはじめたコネクトチーム(大学生)は、もはやその「地域の創り手」として、大きな可能性を秘めた存在だ。今後チームメンバーが何を仕掛け、何を実現していくのかが楽しみでならない。ただし、彼らに期待するばかりではいけない。彼らのような未来の「地域の創り手」たちが自由に思う存分活動できるよう、懐の深い豊かな土壌を整備しておくことが、私自身を含めた今の大人たちに課せられたミッションなのである。

(立石沙織)