2018-02-16【無人駅の芸術祭】作品制作の現場へ潜入!

「UNMANNED(アンマンド)」無人駅の芸術祭/大井川
3月9日(金)から大井川鉄道の無人駅を舞台とした芸術祭が開催されます。

参加アーティストたちの作品制作が着々と始まっていると聞いて、私もお邪魔してきました!

ころんとしたフォルムと、抹茶色のカラーリングがたまらない!通称イモムシ電車

大井川鉄道大井川本線は、金谷駅(島田市)から千頭駅(榛原郡川根本町)の計19駅を結んでいます。今もなおSLが走ることでも知られますが、今回の芸術祭が注目するのは、そのSL(急行)が止まらない「無人駅」。

「無人駅」と言えど、ただ駅舎に駅長さんが常駐していないというだけであり、一つ一つの駅舎を周辺住民のみなさんが、日々大事に管理して守り継いでいます。

どの駅舎もどことなくその集落の雰囲気やキャラクターがにじみ出ているのが何ともいえない!(これはぜひ実際に足を運んでみてください)

今回はそこを出発点とし、県内外8組のアーティストたちが新作を発表します!

主に県外アーティストが活動拠点としているのは、期間限定でレジデンススペースと化した「ヌクリハウス」という一軒家。抜里駅から徒歩数分で、複数のアーティストがシェアでき、滞在でき、制作もでき、地域のみなさんと宴会もできちゃう素敵なスタジオです!

今回特別に用意されたアーティストのレジデンス・スペース「ヌクリハウス」

この日はこの芸術祭のディレクションを担うNPO法人クロスメディアしまだの大石さんと兒玉さんとともにはじめての「ヌクリハウス」へ。さとうりささん、木村健世さん、Hidemi Nishidaさんが滞在していました。

みなさん、駅のホームや駅舎、そのまわりの集落を舞台に、インスタレーション作品を計画中で、それぞれ違ったアプローチで制作に臨んでいます。

Nishidaさんが新しく考えた作品プランを大石さんと兒玉さんに説明しているところを拝聴。Nishidaさんの作品は抜里駅周辺が展示会場予定。実現できればかなり不思議なインスタレーション作品が生まれそう。とっても楽しみです!

 

中央がNishidaさん。左が大石さん。右が兒玉さん。

私が来る前夜は、地域のみなさんがアーティスト交流会を開いてくださったそう。 地域のお父さんたちが穫ったという 大スズメバチ や イノシシ などのローカルフードでたっぷりとおもてなしくださり、大盛り上がりだったとのこと。私は所用で同席できなかったのが残念無念です!

「UNMANNED」のFacebookページから

つくづく思うのは、アーティストという人々は「リサーチャー」であり、「媒介者」であるということ。彼らがある地域に滞在し、その土地の文化や特長、あるいはその土地と世界とがつながる接点を掘り起こし、作品として表現しようとするとき、思いがけない出会いや新しいつながりをつくることがあります。

そこに私たちはアートプロジェクトの可能性を見ているのだと思います。

制作中のようすはもう1回くらいレポートできたらいいのですが…あっという間に3月9日を迎えてしまいそう。。

とにかく、ご期待いただけたら幸いです!

立石 沙織 コーディネーター
静岡文化芸術大学でアートマネジメントを専攻。ギャラリー勤務などを経て、2011年「黄金町バザール2011(神奈川県横浜市)」コーディネーター。2012年〜2014年「日和アートセンター(宮城県石巻市)」アートプログラムコーディネーター。2014年よりNPO法人黄金町エリアマネジメントセンター(神奈川県横浜市)にて広報担当として勤務、現職。
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