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2020年オリンピック・パラリンピック東京大会の開幕1000日前にちなみ、東京2020公認文化オリンピアード「静岡県文化プログラム1000日前フォーラム」を掛川市にある歴史的建造物、大日本報徳社で開催しました!当日10月29日(日)は、台風22号がせまる悪天候にもかかわらず、多くの方にご来場いただきました。
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フォーラムでは、第一部として、前文化庁長官で東京大学名誉教授の青柳正規氏による基調講演「オリンピック文化プログラムと地域おこし」が行われました。青柳氏は、2008年に発表された報告書「持続可能性指標による国際比較」の包括的富指標において、日本が高い評価を得たことに触れながら、日本の人的資源の豊かさについて指摘しました。その一方で、文化や教育に関する国家予算が年々減少傾向にある現状を踏まえ、自分たちの身の回りに息づく文化を掘り起こし、そうした地域の文化力を「レガシー」として後世へ継承する必要性について強調しました。
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続く第二部では、青柳氏、山口裕美「かけがわ茶エンナーレ」総合プロデューサーと川勝平太静岡県知事によるパネルディスカッションが行われました。
山口氏からは開催中の「かけがわ茶エンナーレ」におけるアーティストたちの功績について、面白い事例がいくつも紹介されました。
それらを受け、静岡県文化プログラムに期待することとして、川勝知事からは、これからの静岡県には多様なものを取り込み、受け入れる度量が必要だということ、青柳氏からは、2020年のオリンピックがシームレスな社会の一歩であったという記憶が残ったら素晴らしいということ、さらに山口氏からは若手アーティストが育つ機会になってほしい、といった発言がありました。
最後のまとめとしてモデレーターを務めた三菱UFJリサーチ&コンサルティング主席研究員の太下義之氏からは、文化プログラムにとって「プログラムを実施した後に何が残るのか」が重要であること、だからこそ他人事ではなく自ら主役となって参加してほしいとのコメントがありました。
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4人が語られる言葉の端々に、「静岡県文化プログラム」のテーマ「地域とアートが共鳴する」をかたちづくるためのヒントが隠れていました。現在進行中の採択プログラム13件をはじめとする様々な取組みは、どれもどこかで私たちの日常生活と結び付き、多く気づきの「タネ」を芽吹かせていきます。このフォーラムをきっかけとして、ひとりでも多くの方に文化プログラムを自分事と感じていただけたら、とてもうれしく思います。
自らつくる文化プログラムの第一歩として、静岡県文化プログラム推進委員会では、プログラム・コーディネーターがみなさんのアイデアについてご相談にのる場を設けています。ぜひお気軽にご活用ください!