2017-10-01登呂会議「アートロ=Toro Innovation Project」いよいよ始動しました。

晴天の10月1日(日)、アートロ「ひとつ屋根に暮らす」プロジェクトがキックオフしました。記念すべき第1回講座「本当にこんなカタチだった??遺構の発掘体験」のレポートです。

まずは「アートロ」とはどんなプロジェクトなのでしょうか?「ひとつ屋根に暮らす」ってどういう意味?

提案書によると、弥生時代の遺跡である登呂遺跡を拠点として、人々が「土から作る・食べる・生きる→土に還る」という循環を体験することで、古代の暮らしの復元ではなく、「現代の暮らしを見直すきっかけ」=「土さえあれば生きていける」という視点を得て、地域を豊かにつなぐ当事者になることを目指したプロジェクトのようですが・・・

登呂会議の上原さんからの説明

静岡県民ならずとも、教科書で一度は見たことがある弥生式住居。
ホントに、建売住宅みたいに同じ形だったの?
そんな素朴な疑問から始まったプロジェクト、まずは米から道具から、そして住まいまで、
ぜーんぶ自分たちで作ってしまおうという大胆企画。

絶対、面白いこと間違い無し☆

もちろん、各分野の第一人者のアドバイスも受けながら、でもでも自由に発想・研究します。
回帰ではなく、新しい生き方のヒントを楽しみながら模索したい…
一緒にアートロ人なってみませんか?

うん、わかりやすいですね!

その第1回の講座では静岡市立登呂博物館の伊藤寿夫館長を迎えて、参加者みんなで発掘体験。「発掘は、やみくもに掘るのではなく下の状況を確認してから残りを掘る」(伊藤館長)ため、円の中心を探し、そこを起点に掘る場所を決めて皆んなで黙々と掘り下げます。しかし意外にも土が硬く、「白っぽい土に変わったら掘らないこと」と言われるも
でもなかなかそこに到達するまでが大変、苦戦・・・

しばらくして白っぽい土が見えてきてからは、役割分担も自然に生まれ、俄然進みます。家の柱があった跡も確認し、終了。そこからはあっという間に土を戻して原状復帰です。

建築家の伊達さんは
「遺跡の発掘って刷毛とかで丁寧に行うイメージがあったけど、
実際はスコップで掘り進めてしまうんですね。
発掘って意外と大胆。」

「登呂遺跡の柱って丸太でなくわざわざ角材に製材して使っている。
こんなことも知ると、さらに竪穴式住居はもっといろんな工夫でつくられていたんじゃないのか・・・」

自治会からの参加者は「実は、家を建てる時に博物館に展示してあるのと同じ梯子が出てきちゃったけど、工事が止まっちゃうから、黙ってた。だからね、本当はもっと登呂ムラの範囲が広かったと思う。」

などなど体験しないとわからなかった感想や疑問、地元ならではの話がたくさん出てきました。これらの感想や疑問は、次の連続講座で「なるほど!」に変わるのか、それともますます「もやもや」に変わるのか、いずれにせよ参加者ひとりひとりが、現代の暮らしと古代の暮らしを行ったり来たり、妄想しながら、自分の暮らし方を見つめるきっかけとなるでしょう。

さて、連続講座第2回は10月29日(日)「なぜ、この場所に?フィールドワーク」です。
弥生期の登呂は3回も洪水があったのに、なぜ人々はこの場所にこだわったのか? 水の流れと暮らしやすさの関係が、平野を歩くと見えてきます。鈴木雄介氏(伊豆半島ジオパーク)、篠原和大氏(静岡大学)を講師に迎えたフィールドワークです。

連続講座にこれから参加したい方、詳細はこちらです。

佐野 直哉 コーディネーター
オルガン奏者として英国留学後、ビクターエンタテインメント、駐日英国大使館やブリティッシュ・カウンシル勤務を通じて、クリエイティブ産業振興、ロンドンオリンピックやイングランドラグビーW杯など国家ブランディング関連の広報文化キャンペーンを担当。東京藝術大学大学院博士後期課程在学中、青山学院大学・上野学園大学非常勤講師。
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