COLUMN

いっぷく

文化やアートをめぐるさまざまなこと。
アーツカウンシルしずおかの目線で切り取って、お届けします。

vol.63

成果報告会の“報告” その5/実は〇〇な仲間づくり

(アシスタント・コーディネーター 若菜ひとみ)

去る2月に開催された「文化芸術による地域振興プログラム」成果報告会の中で、実施団体が5グループに分かれ、テーマに沿って語り合ったグループワークの内容と考察を、各グループの担当プログラム・ディレクター、プログラム・コーディネーターがそれぞれレポートにまとめました。 本コラムvol.59~63では、『成果報告会の“報告”その1~5』 として、各レポートを公開しています。

2023年度「文化芸術による地域振興プログラム」成果報告会
日 時:2024年2月12日(月・祝) 13時~17時
会 場:【BiViキャン】静岡産業大学 藤枝駅前キャンパス × 藤枝市産学官連携推進センター
参加者:2023年度「文化芸術による地域振興プログラム」実施団体、一般参加者など

実は〇〇な仲間づくり

アートプロジェクトという不思議なものを一緒に進める仲間づくりに、心底苦労している人達もいれば、自然と人数が増えている団体もある。

集まった4団体に仲間づくりのキーワードを聞いてみた。

出てきたキーワードについて、出会う前を0とし、仲間になった状況を10と置き換えてざっくり分類すると、何も無い0の状態から、知り合う1になるための「仲間の見つけ方」、知り合いの1から3や5に仲を深めていく「仲良くなる方法」、仲が良い5以上を0に戻さないための「失敗談・反省」に加え、10に到達するための「コツ、こころもち」に分けることができた。

「仲間の見つけ方」については、SNSの利用や、色んな場所でWSをするなど、計画的にも思える方法が並ぶ一方で、「仲良くなる方法」には、「一緒に〇〇する」がたくさん挙がった。

ご飯を食べる。お酒を飲む。読書会をする。歩く・・などなど。

計画的にも感じた「仲間の見つけ方」に比べて、リラックスして楽しそう。
ということで、この群の近くに「楽しい」の文字が追記される。
そして「コツ、こころもち」には、「リターンを求めない」など、頷けるワードが次々と出てくる。

そんな中「別に仲間づくりを目的としていたわけじゃないけどね」という発言に皆が注目する。

「今の(仲間がいる)状況は、単に結果である」と。

確かに、アートプロジェクトを実践する団体において仲間づくりは目的ではなく、プロセスでの副産物にすぎない。
でも仲間がいたから辿り着ける境地はある。
仲間づくりは不可欠だけど、ゴールではない。

だとすると、人が集まる求心力が何かあるはず、、皆の視線が集まった先には「楽しい」の文字が。

結果、「実は楽しい仲間づくり」という答えでは小学生みたいということで、チームの結論としては却下されてしまったが、どうやら仲間づくりに楽しさは必須ということがわかった回だった。

仲間とは、思いを共感し、課題を共有し、共存するために共に考える人達である。

それを紐解くキーワードが「楽しい」であったことは、アートプロジェクトの本質にも触れた気がした。

実は〇〇な仲間づくり
(話合い団体)
Cliff Edge Project
藤枝宿世代をつなぐ商店街づくり実行委員会
吉原中央カルチャーセンター
Lab Qrio(ラボキュリオ)

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