CULTURAL RESOURCE DATABASE

ふじのくに
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焼津の高潮対策

焼津海岸に沿った北浜通・城之腰・鰯ケ島の三地区のことを浜通りと呼びます。この地域一帯は、街並みを形成する通りから西側の堀川に向けて低くなっているため、高潮(たかしお)が堤防を越えしばしば集落に入り込むことがあり、それを防いだのが「ナミヨケ」と地形を利用した小路でした。
「ナミヨケ」は、海岸を向いて建つ家に設けられました。入口から海水が入らないように、堰板でせき止める施設です。せき止められた海水は、家の脇に造られた小路を通って、堀川へ流れ込む仕組みになっていました。その他にも海水を防ぐのではなく、床下を通して堀川へ落とす家もありました。
また、瀬戸川の河口北側に広がる浜当目にも高潮を防ぐ工夫が見られます。海岸に沿った土手部分が最も高く、その西側の集落に向けて低くなっています。つまり高潮は、土手で防ぐ仕組みです。土手は海側からヤブツバキ、マツ、墓地、小道で構成されており、屋敷地との境には石垣が積まれ敷地内にはタケ、マキを植えています。これらは防風・防火も兼ねます。
集落と海岸をつなぐのは、やはり小路で、土手沿いの塀には海水が小路に流れ込まないよう、堰板を落とし込む溝が残っています。

所在地 静岡県焼津市浜通りから浜当目
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