メンパ、今でいえば弁当箱のことです。
井川メンパの特徴は、天然漆の美しい光沢が最大の特長。冬暖かく夏は腐らない。メンパに詰められたご飯は、現代的なお弁当箱にはないほのぼのとしたおいしさで私たちを楽しませてくれます。
使い捨ての紙容器やプラスチックの容器などが出現する以前、旅や山仕事に弁当持参でいくときには竹の子の皮やカシワ、ホウの葉でむすびを包んだものです。
旅行用には、携帯上の利点もあって、竹や柳で編んだ入れ物(行李式のもの)が多く用いられていましたが、その他生活民具として残る弁当箱には、ワラ・ガマ・い草で編んだ苞類、曲物類、数人分を詰め合わせられる破籠(わりこ)があげられます。
井川メンパがいつ頃から作られるようになったかは定かではありませんが、その起こりとなった井川の曲物は、鎌倉時代から作られたといわれています。また、室町時代、井川には金山が栄え、金山の水替えに杓(ひしゃく)や曲桶が必要とされたため、井川の小河内あたりでは盛んに曲物が作られたといわれています。
さらに、江戸時代末期になると、井川メンパは山村農民の生活用具としてでなく、農村の副業生産物として近隣へ販売されていたことが、明治末の「井川村誌」に記されており、井川の曲物に漆塗りの技術が加わり、現在の井川メンパが誕生したのでした。
静岡県郷土工芸品振興会HPより
CULTURAL RESOURCE DATABASE
ふじのくに
文化資源データベース
- 工芸品
- 静岡市
井川メンパ
問い合わせ先 | 井川メンパ 製造 望月 054-271-8224 |
---|
著作権について
本サイトの著作権は、(公財)静岡県文化財団(アーツカウンシルしずおか)が有しますが、掲載されている画像、文章等の著作権は、制作者である登録者・登録団体に帰属します。文章や画像等の無断転載及び複製等の行為は著作権侵害にあたりますので十分ご注意ください。
免責事項について
「ふじのくに文化資源データベース」に掲載されている情報において、アーツカウンシルしずおかは利用者がこのデータベースの情報を用いて行う一切の行為について、何ら責任を負うものではありません。
また、当データベースは、予告なしに内容を変更又は削除することがあります。あらかじめご了承ください。