COLUMN

特集記事

アーツカウンシルしずおかの
専門スタッフによるコラムをお届けします。

vol.3

鈴木一郎太

(アーツカウンシルしずおか プログラム・ディレクター) 

はじめまして、プログラム・ディレクターの鈴木一郎太です。

昨年度までは静岡県文化プログラムのコーディネーターをしており、また直近10年ほどは浜松市に住んでいたということもあり、県内のアートプロジェクトに携わったり、異分野を横断するような活動に関わったりしていました。

浜松出身で、20代は丸々ロンドンでアーティストをしていました。

その後、30代はクリエイティブサポートレッツで事業の企画に携わり、障害福祉やまちづくりなどの観点を学びました。そしてなによりも、社会を分野で分けるのではなく、地続きなものとして捉える視点を鍛えられました。

30代の後半には独立し、全国の文化や福祉の団体や個人の思いに寄り添いアウトプットをつくるお手伝いをし、コミュニティスペース、ゲストハウス・ウェブマガジンの立ち上げ、まちあるき演劇制作、報告冊子の編集、事業計画づくり、ウェブサイト再構成、新規事業のコンセプトづくり、屋外作品展示ディレクション、トーク企画、スペースの運営コンセプトっくり、研修企画など、主体となる人や団体の思いや目的に応じてさまざまな物事に関わらせていただきました。

最近だと、2019年に静岡市の駿府城公園で発掘調査が行われていた現場にアーティストの高橋匡太さんの作品「タイムスケープ2019」を展開する企画とマネジメントをさせていただきました。

また全くちがったタイプの仕事として、東京の練馬で活動するNPO法人障がい児・者の学びを保障する会とは、文科省の実践研究事業の企画、推進、記録冊子の編集などプロジェクト全般にわたり3年、代表をつとめるおかあさんとひょんなことから知り合った頃の団体立ち上げあたりからだとのべ5年間くらい、方針づくりや事業計画からワークショップなどイベント企画まで、団体立ち上げの根幹に関わりをもたせていただきました。


社会のさまざまな場面にアートを織り込むということを独立した時から意識していました。

創造する力はみんなが持っているもので、作品をつくる時にだけ発揮されるようなものではなく、そもそも社会のいろいろな場面ですでに発揮されているし、もっとたくさんの人によって自由に発揮されていいものだと思っていて、アートがそれを触発することができると考えていたからです。

さまざまな分野や社会的立場に軸足をおきながらも、試行錯誤し、挑戦できる創造的な土壌をつくることはアーツカウンシルしずおかの重要な役目だと思っています。

人が自分のもっている力を活かし いきいきと生きていくためのお手伝いができることを光栄に感じていますし、静岡の実践はひとつの重要なモデルとなりうる可能性を持っていると思います。

かつて浜松で医療器具の技師がオルガンの修復に取り組んだように、プロの技術は専門分野を軽々と越えるほど深みがあるものだと思います。

また、そのままでは食べることのできない芋からこんにゃくをつくりだしたことは、生活者の切実さと創造性に知恵やノウハウが合わさった産物だったんじゃないかと想像します。

そのどちらも尊く、どちらも社会にとって必要なことですが、個人的に、文化芸術分野は後者をもう少し大切に育む必要があるだろうと思うので、そうした観点をアーツカウンシルしずおかの仕事の中で体現できたらと思っています。

みなさま、どうぞよろしくお願いします。

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