ふじのくに
文化資源データベース

浜名湖の北側を通る67.7キロメートルの天竜浜名湖鉄道は、国鉄二俣線として昭和10年（1935年）から昭和15年（1940年）にかけて敷設され、2011年現在、全線にわたって36施設が国の登録有形文化財となっています。
その中のひとつ、鉄筋コンクリート造りの井戸は、開通当時に蒸気機関車であった二俣線にとって、給水するために欠かせない施設のひとつです。
地上に見えている部分は井戸の一部分。内部は地表から7メートル80の深さで、現在も豊富に水をたたえています。
井戸の製作時期を示す明確な資料はありませんが、揚水（ようすい）機室や高架貯水槽など一連の施設が昭和15年であるため、井戸も同時期と考えられています。
天竜浜名湖鉄道全線のうち、高架貯水槽を備えているのは金指駅がありますが、鉄筋コンクリート製の井戸とセットで残るのは、二俣駅の運転区のみとなっています。（公式ガイドブック参照）
なお、井戸のある敷地内に入ることはできませんが、天竜二俣駅で行われている見学ツアーの際、フェンス越しに見ることができます。