本興寺第17世住職・日観聖人には、数奇な出生伝説が伝えられています。
今からおよそ280年前、日観聖人は鷲津の鵜殿に住む野末八百四郎の家に生まれました。しかし出産は大変な難産となり、母親は命を落としてしまいます。家族は、みのわ(箕ノ輪)のおと山に母親を埋葬しました。
その後間もなく、みのわの飴屋に、毎晩決まった時刻になると、見慣れない若い女性が現れ、「滋養糖を一つください」と言って飴を買っていくようになりました。不思議に思った飴屋の主人が後をつけると、女性は山へ向かい、おと山の墓地で突然姿を消してしまいました。驚いた主人が辺りを調べると、新しい墓の後ろに穴が開いているのを見つけました。翌朝、近所の人々とともに掘り返してみると、中から元気な赤子が現れました。周囲には滋養糖の空き袋が散乱しており、その墓は先日亡くなった野末八百四郎の妻の墓だったといいます。知らせを受けた八百四郎は、赤子を抱きかかえて家へ連れ帰りました。 その子は七歳になると、母の菩提を弔うために本興寺へ入り、第16世日穏聖人の弟子となりました。後の第 17 世日観聖人です。日観聖人は後に、越後の法華宗大本山 本成寺の法燈を継ぐ名僧となったと伝えられています。
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