「人生劇場」で知られる尾崎士郎(1989-1946)の文学碑。碑文は随筆の一節、早大時代からの親友尾崎一雄の病状を思う切ない気持ちがあらわれている。士郎は伊豆湯ヶ島に幾度か来遊していたが、1944年に東京大森から伊東に疎開し、十年間住んだ。この間、肝臓先生の異名を持つ伊東の天城診療所所長佐藤十雨をモデルとして「ホーデン侍従」など、数々の作品を書いた。
碑文
十月二十四日。尾崎一雄の病気のことが気にかかってならぬ。明日は思いきって出かけようと思う。夜眠られぬのでふらりと外に出る。空が澄み切っているせいか川向こうの山の線がくっきりと描き出されている。月は雲にかくれているが、光は空いっぱいにひろがって視野のかすむかぎり瑟々たる田園の情趣にみちている。かすかによしきりの鳴き声が川ぞいの道の方から聞こえてきた。
かなしさや月の中なる行々子
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ふじのくに
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- 石碑
- 伊東市
尾崎士郎の詞碑(広野)
所在地 | 伊東市広野2-4-1 広野ロータリー |
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