『さんま寿司』は地元の郷土料理で、背開きにしたさんまを酢につけ、寿司飯の上に乗せ、木箱に詰め、重しを載せて一晩おき出来上がります。
室町時代、うち続く凶作に心を痛めた白浜神社の神官が伊豆七島の神々に恵みを祈ったところ、程なく無数のさんまが浜に打ち寄せたといわれています。
神官は米飯の上にさんまをのせ、人々に振る舞い、以来、秋の例大祭にはさんまの炊き込み飯を御馳走する習わしとなりました。
この炊き込み飯が現在の『さんま寿司』に姿を変えたのは幕末の頃。幕府の命で下田市河内にあった反射炉を博徒、伊豆の陶蔵が韮山に移送することになった際、大勢の人夫の食糧に苦慮した陶蔵はさんまの炊き込み飯にヒントを得てさんまむすびを考えました。数日経たさんまむすびは酸味を帯び、えもいわれぬ風味を醸したことから、以後味付けに甘酢を使うようになり、関西風の押し寿司風さんま寿司が生まれたといいます。
今でも白浜では秋のお祭りや御祝いの席には欠かせない料理となっています。各家庭で代々引き継がれた味があり、それぞれに微妙に味が違うのも白浜の『さんま寿司』の特徴です。
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さんま寿司
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