堂ヶ島最大の魅力である天窓洞は、白い凝灰岩(安山岩質)からできており、低い半島状をなしていて、その地下は蜂の巣のように海蝕トンネルがあけられている。この洞の入口は、外洋(駿河湾に面して)二門(南口と西口)、さらに一つの入口(東口)が山の手側の国道に向かって開き、そこに小さな浜(礫)をつくっている。洞の内部は大体左右こ本の横穴に分けられ、このこ本が又井の字状に連結され、すべて満々たる海水をたたえている。右方の洞窟は幅も広く、長さ147メートルに達し、中央は天井が丸く抜け落ち天窓をなし、洞内を明るくしているため船が自由に航行できる。また、この洞内には鎌倉洞と呼ばれる穴があり、伝説によれば、この洞は鎌倉まで続いていると言われている。頼朝が追手に追われた時、丁度干潮でこの穴に隠れた。この様子を見た蜘蛛がその入口に巣を張ったため、追手はこの穴に人の隠れた様子なしとみて、頼朝は難を逃れ、そして急遽鎌倉宛の密書をしたため、底しれぬ洞の奥に向かって投げ入れたと伝えられている。今でもこの洞は、頼朝公の伝説を秘めたまま夜光虫の栖となっている。
昔から、この堂ヶ島を多くの人々が訪れているが、次の短歌も、昭和10年の早春、与謝野鉄幹・晶子夫妻が堂ヶ島を訪れた際に詠まれたものである。
”島の洞 御堂に似たりて 舟にして 友の法師よ 参れ心経” 鉄幹
”堂ヶ島 天窓洞の 天窓を 光りてくだる 春の雨かな” 晶子
この堂ヶ島を探勝するには、何といっても遊覧船で海上から見るのが一番。この遊覧船のコースには、20分のコースがあり、年間を通じて頻繁に出航している。
西伊豆町HPより
CULTURAL RESOURCE DATABASE
ふじのくに
文化資源データベース
- 洞穴
- 西伊豆町
堂ヶ島天窓洞
所在地 | 賀茂郡西伊豆町仁科堂ヶ島 |
---|---|
問い合わせ先 | 西伊豆町観光協会 TEL 0558-52-1268 |
著作権について
本サイトの著作権は、(公財)静岡県文化財団(アーツカウンシルしずおか)が有しますが、掲載されている画像、文章等の著作権は、制作者である登録者・登録団体に帰属します。文章や画像等の無断転載及び複製等の行為は著作権侵害にあたりますので十分ご注意ください。
免責事項について
「ふじのくに文化資源データベース」に掲載されている情報において、アーツカウンシルしずおかは利用者がこのデータベースの情報を用いて行う一切の行為について、何ら責任を負うものではありません。
また、当データベースは、予告なしに内容を変更又は削除することがあります。あらかじめご了承ください。