盆すぎに行われる先祖供養の法要。『萬灯(万灯 まんとう)』という文字通り、本堂に多くのろうそくが灯されます。そして、その明かりだけが照らす中、絶え間なく唱えられるお経とともに、大勢の和尚が厳粛な法要を営みます。
この法要には、古くから伝わる話があります。貧しい姉妹が、ろうそくを買うために自分の黒髪を切って売り、萬灯会(まんとうえ)に参列したのだそうです。ところが、世の中の悪党が先祖供養の火を消そうと企みました。ほとんどの火が消されてしまう中、この姉妹のろうそくに灯った火だけは、最後まで消えなかったのだそうです。
本堂での法要の後には、外で盆供養塔婆が燃やされます。参列者はこの火を提灯に納めて持ち帰り、家庭の仏壇に移して灯すのです。持ち帰る間に消えてしまわないよう、気をつけて提灯を持つ人々の姿はとても印象的です。
先祖の祭壇に尊い火を灯し、心のあり方を伝える萬灯供養。事前に連絡をすれば見学することも可能です。
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ふじのくに
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萬灯供養会(栄林寺)
所在地 | 静岡県浜松市天竜区二俣町二俣116 |
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問い合わせ先 | 栄林寺 053-925-2235 |
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