加藤種男アーツカウンシル長による最新刊 『祝祭芸術 ー再生と創造のアートプロジェクトー』 が、８月１日、水曜社より刊行されました。
“アートプロジェクトがもたらす再生と創造の新たな地域社会像を提示する”本書を、ぜひご一読ください。
全国各地のプロジェクトを牽引してきたディレクターの問題作。
先の見えない時代、列島にアートプロジェクトが満ちる。民衆は祝祭芸術を求めるが、アートプロジェクトの多くは祝祭芸術であり、芸術活動は、祝祭芸術が豊かなところに開花する。
本書の第一の試みは、祝祭と地域社会が持つエネルギー、ダイナミズムを解き明かすことである。
第二に、地域社会と芸術アートとの関係性を解き明かそう。登場するのは、棚田、郷土芸能、奇祭、山野草、潟湖沼、過疎や離島、野草採集、川遊び、里山、沼沢、町工場、農業、川砂利採掘、回船など一見“アート” とは遠い日本人の原風景である。
第三に、芸術は個人のものであるとともに、共同体の表現でもあると喝破する。芸術活動は人々の思いを協働で表現する。
祝祭とアートプロジェクトに込められるのは、豊かな自然と情の満ちる地域社会を再生しようとする人々の願いの根源。日本人の原風景を遡りたどって行き着いた、アートプロジェクトがもたらす再生と創造の新たな地域社会像を提示する。
（全382ページ・定価3,960円）
