COLUMN

いっぷく

文化やアートをめぐるさまざまなこと。
アーツカウンシルしずおかの目線で切り取って、お届けします。

vol.37

赤ちゃんが主人公の世界をさがして

(プログラム・ディレクター 北本麻理)

5月終盤の日曜日、浜松にある「赤ちゃんと人形のお店河田」で、ベイビーシアターを実施するということで、私も参加してきました。

初夏を感じさせる午後、浜松駅に到着。駅からバスに15分ほど揺られ、最寄りのバス停を降りると目の前に「赤ちゃんと人形のお店河田」がありました!

近づいてみると、左手にはヨーロッパのメルヘンな建物をイメージするピンクが基調の洋風の外観で、対して右手にはなまこ壁と瓦屋根を配した和風づくりの建物の2段構えなのがわかる。道路を車で走っていても、一瞬で“赤ちゃんや子ども”のためのお店だということがわかります。

ピンクの方の店内の2階にあるイベントスペースに案内され、乳児や幼児に交じりつつも、少々気兼ねしながら時間が来るのを待つ。

京都を拠点にする「BEBERICA theater company」と、公益財団法人静岡県舞台芸術センター(Shizuoka Performing Arts Center : 通称 SPAC)でも活躍する俳優さんたちが、赤ちゃんとお父さんやお母さんご家族など保護者の方々を対象にした演劇公演が始まりました。

風の音や鳥の鳴き声(も俳優さんから発してます)が聞こえてきたり、情景を説明する大人の言葉をやさしく赤ちゃんや子どもに語り掛ける家族の声も聞こえてきたり。

折々、眠たくなったり不安になったりする赤ちゃんや子どもたちの素直な表現である泣き声が新鮮だったり。

寝返りを始めたばかりの赤ちゃんが、ただただ無心で、まだできていない“ハイハイ”の動きをして、掴み取った小道具をがっちり握りしめている姿など、赤ちゃんや子どもたちのありのままの姿に目を奪われること、しばしばでした。

公演のあとは、担当の河田愛さんと宗樹さんとあらためて、赤ちゃんや子どもたちの、ありのままの表現を大事にした取組について話し合いました。

ベビー用品を販売するだけにとどまることなく、赤ちゃんや子どもと子育て中のお母さんやお父さんに寄り添い、企業として考える芸術分野への期待や不安を寄せつつも行動を起こす河田愛さんと「赤ちゃんと人形のお店河田」の今後に大いに期待しながら、良き相談相手として赤ちゃんのことを考えた事業を一緒に開発していきたいと思います。

当日の雰囲気については、お店のInstagram でもご覧いただけます。


2022年度 文化芸術による地域振興プログラム 実施事業

「Give to BABY art ~0歳から育てる豊かな心~」

赤ちゃんと人形のお店河田(浜松市)

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